PCに内蔵するHDDなどの記憶装置の容量が足りなくなってきた場合の、メモリの増設手段として手軽に使われるのが外付けのHDDやSSDです。
HDDやSSDは増設用メモリとしてPCに内蔵させるタイプがありますが、PCの本体を開けて、中に組み込むのは大変な作業です。
慣れない人が行うと、PCを故障させる原因ともなります。その点、USBケーブル経由でPCに接続するだけですぐに使える外付けHDDやSSDは便利です。
この外付けHDDと外付けSSDは、同じ用途で使われるものですが両者には大きな違いがいくつかあります。ここでは、そんな両者の違いを説明します。
外付けHDDについては、こちらの記事で紹介してますのであわせて読んでみてください。本稿では、外付けSSDを選択する際のポイントを中心に紹介していきます。
外付けSSDとHDDの違い
アクセス速度
PCからアクセスしてデータの書込みや読出しを行う場合の速度のことを指します。
HDDは磁気ディスク上のデータの書込みや読み出しを行うための物理的な動作が伴います。
SSDはSolid State Driveと呼ばれる半導体メモリでできた回路が内蔵されています。この半導体メモリを組み込んだ回路に微弱な電流を流して、データの読書きを行います。
ですので、HDDに比べてSSDはアクセススピードが速いです。
消費電力
磁気ディスクを回移転させるなどの物理的な動作が伴うHDDに比べて、微弱な電流を流すだけでアクセスができるSSDの消費電力は少なくなります。
耐震性
HDDは磁気ディスクの物理的な動作を伴うため、大きな振動や衝撃を与えると故障や破壊につながります。
SSDは、電気回路に流す電流の制御のみのため振動や衝撃には強いです。
騒音
HDDは磁気ディスクの回転音が発生しますが、SSDの場合には音が発生することはありません。
製品寿命
HDDは可動部分を持つため、その部分の摩耗などに伴い、一般的には3年程度の寿命と言われています。
当然、3年以上持つことが多いと思いますが、この期間を念頭に置き、データのバックアップを進めておくべきであろうと考えられます。
SSDの場合は、可動部分などがないために寿命は長く、5年程度と言われています。
価格
SSDの方が高性能であるということに加え、HDDに比べて量産技術が成熟していないという点もあり高価です。
但し、半導体の集積度は年々倍増していくことを考えると、今後、両者の価格差はどんどん狭まっていくでしょう。
両者の違いをまとめると次のようになります。
SSD | HDD | 備考 | |
アクセス速度 | ◎ | △ | HDDのアクセス速度には限界がある |
消費電力 | 〇 | △ | |
耐震性 | 〇 | △ | |
騒音 | 〇 | △ | |
製品寿命 | 〇 | △ | HDD可動部分の故障の可能性 |
価格 | △ | ◎ | 今後、両者の価格差は少なくなる |
SSDとHDD選択のポイント
現時点におけるSSDとHDDの価格差は大きいです。特に外付けSSDと据え置き型のHDDを比較すると10倍近い開きがあります。
SSDとポータブル型HDDを比べても2倍前後の開きがあります。
このことから、コストパフォーマンスを第1優先に考え、その他の要素を気にしなければ
HDDを選択すべきでしょう。
具体的には、多少読書きの速度が遅くても問題ない、振動が発生することはなく、ほとんど持ち運んで使うこともない、多少HDDのアクセス音がしても問題ない、などです。
他方で、SSDの大きな魅力はアクセス速度にあるといえます。
以下の表で具体的なアクセス速度が公表されているバッファローPGM960U3-B/Nの場合、公表速度は530MB/Sです。
これは1GBのデータを全て読み出すのに2秒しかかからないことを意味します。環境条件により、ばらつきがあるにせよ、早いです。
セキュリティ機能
SSDを置き忘れてしまった場合や盗難にあった場合などに、大切なデータを悪用されないようにSSDには充実したセキュリティ機能を持つタイプがあります。
セキュリティ機能としてはパスワード、ハードウェアの暗号化などがあります。
パスワード
PCに接続して、SSDを使う場合、使用開始する際に毎回パスワードの入力を要求されるものです。
このためパスワードを知らないと内部のデータを参照したり、データを書き込んだりすることが一切できません。
ハードウェア暗号化
データをSSDに記憶する際、SSDに内蔵する暗号化ハードウェアにより、自動的に全データを暗号化します。
このため、内部データを解析して読み出そうとしてもできません。
その他にも、SSD本体を机などにワイヤーを使って固定できるケンジントンスロットと言われるタイプもあります。
ちょっと席を外した際の盗難の防止に使えます。
セキュリティ機能を内蔵しお勧めできる外付けSSDは以下のものです。
製品名 | USB規格 | 容量 | パスワード | ハードウェア 暗号化 | 参考価格 | |
アイ・オー・データ | HDPD-SUTB500S | USB3.2 (Gen1) | 500GB | 〇 | 〇 | 14,829円 |
エレコム | ESD-PL0480GM | USB3.2 (Gen1) | 480GB | 〇 | 〇 | 23,600円 |
バッファロー | SSD-PZN48003-BK | USB3.2 (Gen1) | 480GB | 〇 | 〇 | 25,960円 |
(セキュリティ機能内蔵おすすめSSD)
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データ容量
外付けSSDとして販売され、主に使われているのは128GBくらいから4TB程度までです。8TBや16TBの商品もありますが、サイズが大きかったり、値段がとても高価だったりします。
128GBから4TBまでの範囲が、一般的に使われているSSDの容量であることを全て落として、用途別に選択すべきSSDを考えてみます。
動画を中心として、その他諸々のデータの保存を考えた場合は2TB以上は欲しいところです。
他方で、動画も多少は含まれるが、写真やその他諸々のデータが中心の場合には、512GBは欲しいところです。予算が許せば1GBを考えてもいいかもしれません。
おすすめメーカー
国内では、PCの周辺機器や各種メモリなど幅広く取り扱っているアイ・オー・データ、エレコム、バッファローです。
海外では、韓国の総合家電メーカーであるサムスン(SAMSUNG)、アメリカのメモリ専業メーカーであるマイクロン、同じくアメリカのメモリ専業メーカーサンディスク(SanDisk)が挙げられます。
おすすめの外付けSSD
以下にお勧めできる512GB、1TB、2TBの外付けSSDを掲載しておきます。
これらの製品は、筆者がメーカー、性能、価格を確認したうえで載せているものですので安心して選択していただけます。
(SSD512GB、1TB、2TB)
製品名 | USB規格 | 容量 | 参考価格 | |
バッファロー | SSD-PGM1.9U3-W/N | USB3.2(Gen2) | 480GB | 6,980円 |
サンディスク | SDSSDE30-480G-J25 | USB3.2(Gen2) | 480GB | 8,399円 |
エレコム | ESD-ECA0500GRDR | USB3.2(Gen1) | 500GB | 10,978円 |
アイ・オー・データ | SSPF-USC512 | (520MB/s) | 512GB | 13,455円 |
(512GB外付けSSDおすすめ商品)
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製品名 | USB規格 | 容量 | 参考価格 | |
バッファアロー | PGM960U3-B/N | USB3.2(Gen2) | 960GB | 14,300円 |
SAMSUNG | MU-PC1T0H/IT | USB3.2(Gen2) | 1TB | 19,280円 |
アイ・オー・データ | SSPG-USC1NB/E | USB3.2(Gen2) | 1TB | 19,620円 |
エレコム | EJ1000GBKR | USB3.2(Gen2) | 1TB | 14,900円 |
サンディスク | SDSSDE30-1T00-J25 | (520MB/s) | 1TB | 16,464円 |
(1TB外付けSSDおすすめ商品)
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製品名 | USB規格 | 容量 | 参考価格 | |
バッファロー | SSD-PGM1.9U3-W/N | USB3.2(Gen2) | 1.9TB | 26,992円 |
エレコム | ESD-EJ2000GBKR | USB3.2(Gen1) | 2TB | 28,973円 |
サンディスク | SDSSDE30-2T00-J26 | USB3.2(Gen2) | 2TB | 33,193円 |
アイ・オー・データ | SSPF-USC2T | USB3.2(Gen2) | 2TB | 39,536円 |
(2TB外付けSSDおすすめ商品)
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