ゲームPCで最適なウィルス対策ソフトをまずは紹介し、その理由として、ウィルス対策ソフトの必要性、ウィルス対策ソフトが持つ機能、第3者評価機関により評価を受けたウィルス対策ソフト、更には、市場で人気が高いウィルス対策ソフトなどについて説明していきます。
ゲームPCで最適なウィルス対策ソフトはこれ
各社のウィルス対策ソフトの機能比較、第3者評価機関によるテスト結果を参照しつつ、筆者の私見も入れながらおすすめのウィルス対策ソフトを整理します。
ゲーム用ウィルス対策ソフトとして、コスト、ウィルス検出性能、パフォーマンス夫々の視点を重視した場合に推奨するソフトをあげ、最後に、総合的にリコメンドするウィルス対策ソフトをあげています。
コスト重視
コスト重視で考えるならトップはavast software社の無料版のavastで、その次におすすめめするのがMcAfeeのマカフィーリブセーフです。
安ければいいというわけではなく、avastは無料版であっても有料版レベルの機能と性能が搭載されているからです。
加えて、AV-ComparativesのテストにおいてOutstanding Products 2021(優秀商品)に選ばれています。
McAfeeのマカフィーリブセーフは数量に関わりなく、価格が同じなのでかなりお得感があります。
この製品は、AV-Comparativesのテストにおいて、Product of the year Award(年間最優秀賞)を受賞しています。
総合的な評価において最も優れている商品であることされたわけです。従って、性能的にも文句なしと考えられます。
- 第1位 avast
- 第2位 マカフィーリブセーフ
ウィルス検出性能重視
AV-ComparativesのFalse Positives winners(ミス検出が最も少ない製品)として1位受賞したESETと2位受賞したKasperskyがリコメンドすべき商品と考えます。
更に同機関のAdvanced Threat Protection (Enhanced Real-World Test) winners(標的型やファイルレス攻撃からPCを保護する高い機能を持つ商品)として、ESET、Kasperskyともに2位に入っています。
以上の通り、ESET、Kasperskyにおけるウィルス対策ソフトとしての高い基本性能は疑う余地はないと考えられ、夫々1位、2位としてリコメンドします。
- 第1位 ESET
- 第2位 Kaspersky
パフォーマンス重視
AV-ComparativesのOverall Performance (Low System-Impact) winners(システムに与える影響が少なく最も動作が軽い製品)において、2位にKaspersky、3位にESETが入っています。
ネット上の各種評判を見ても両者の製品における軽い動作は、裏付けることができると考えられます。
- 1位 Kaspersky
- 2位 ESET
バランス重視
いくつかの視点から、リコメンドすべきウィルス対策ソフトをリストアップしてきましたが、総合的な視点から以下の通りとしました。
ウィルス検出性能やシステムへ与える影響を抑えることができるパフォーマンスの高さ、更に先進的な機能や性能を左右する機械学習機能への対応や取組状況です。
また、これらのソフトとしての性能を支援するための、ユーザサポート体制などを考え以下の通りとしました。
- 1位 ESET
- 2位 Kaspersky
- 3位 マカフィーリブセーフ
ウィルス対策ソフトとは?
コンピュータに侵入して内部のデータを盗み出したり、破壊したり、更には、他のコンピュータを攻撃したりする悪質なソフトがコンピュータウィルスです。
このようなコンピュータウィルスはインターネットが普及する初期の段階では、自分の力を誇示したり、相手を驚かせたりするなどの目的で作られていました。
しかし、現在では、サイバー空間上における悪質な犯罪行為に発展しています。
このような悪質なコンピュータウィルスの働きを無効化し、駆除するソフトウェアがウィルス対策ソフトウェアです。
Windows Defenderがあれば十分か?
私たちが使っているWindows PCには、標準でWindows Defenderと呼ばれるウィルス対策ソフトが組み込まれています。
Windows Defenderには、ウィルス対策ソフトとしてウィルス対策機能をはじめとしてデバイスをチェックする機能やファイヤーウォールの機能、アプリやブラウザを制御するための機能が組み込まれています。
しかし、これらの機能が組み込まれていてもユーザの利用環境下で最適な設定状態になっているかというと必ずしもそうではありません。
このようなWindows Defenderに対して、ウィルス対策ソフトを提供するメーカーの専用のソフトは、インストールするだけで、常に最適な状態に設定されたものがユーザPC内で稼働しています。
ウィルス対策ソフトはなぜ必要か?
ウィルス対策ソフトの最大の鍵を握る機能がウィルスを検出して駆除する機能です。
これを行うために、ウィルス対策ソフトではウィルスのパターン定義ファイルと言われるウィルスの特徴を抽出したデータを参照しながらウィルスの検出と削除を行っています。
このパターン定義ファイルは、日々発生するウィルスをウィルス対策ソフトメーカーの開発者によって解析され、内容の更新作業が行われます。
最新のデータに更新されたパターン定義ファイルは、サーバーにアップされ、それをユーザのPCにダウンロードして定義ファイルの更新を行い、PCを安全な状態に保っています。
ウィルス対策ソフトの第三者評価機関であるドイツのAV-TESTによるとコンピュータウィルスは、全世界で年間13億種類、1日当たり平均350万種類の新たなウィルスが発生していると言われています。
このような膨大なウィルスに対して、日々定義ファイルを更新できるのは、ウィルス対策ソフトを開発するエキスパートが集まる企業でのみ可能な作業です。
このような意味からも、ウィルス対策ソフトを使った方が、より安全であると考えられます。
ウィルス対策ソフトにはどんな機能があるのか?
ウィルス対策ソフトの主要な機能を紹介していきます。
リアルタイム保護
外部からの不審なプログラムやデータを常時監視していて、それを発見した場合、警告メッセージを表示して注意喚起を行ったり、プログラムやデータの侵入を抑止し、場合によっては、駆除まで行います。
これらは、ウィルス対策ソフトへの設定によりその対応レベルが変わってきます。
脆弱性攻撃対策
PC上のOSや各種ソフトウェアの脆弱性を狙い、正規のプログラムを装ってPCに侵入しようとする攻撃のことです。脆弱性のことをセキュリティホールとも呼びます。
別の言い方をすればPCの各種プログラムにおける欠陥(バグ)です。
PCのプログラムは大規模になるほど、100%完全な形にするのはとても困難で、何らかの欠陥をかならず内在するものです。
この欠陥はウィルス対策ソフトでその穴をふさぐことができるわけではなく、プログラムを改良することによって、その穴を埋めていく必要があります。
他方で、ウィルス対策ソフトは、あくまでもこの欠陥をついてくる外部からの不正なプログラムに対してPCを保護します。
機械学習による保護
通常のウィルス対策ソフトでは、既知のウィルスの特徴データを記録したウィルス定義ファイルとのパターンマッチングによるウィルスの検出を行います。
これに加えて、膨大な既知ウィルスのパターン定義ファイルを機械学習することにより、未知のウィルスのデータパターンを高度に予測し、これを検出します。
この学習作業を積み重ねていくことにより、どんどんと賢くなっていき、未知のウィルスの検出精度を高めていきます。
ランサムウェア対策
ランサムウェアとは、外部から不正プログラムをPC内に侵入させ、PC内部のプログラムやデータを暗号化して、ユーザがアクセスできない状態にします。
その上で、これらのデータを復号化してアクセスできるようにするための身代金を要求するサイバー犯罪行為です。
このような不審なプログラムが侵入しようとした場合にシステムやPCを守ることがランサムウェア保護機能です。
ランサムウェアは不特定多数のPCに攻撃を仕掛けるケースと、特定の企業などの団体を狙って攻撃する方法があります。
2017年に世界を席巻したWannaCryは不特定多数のPCに攻撃を仕掛け、ビットコインの振り込みを要求しました。
特定の企業を狙うケースでは、企業のサーバを攻撃し、内部の秘密データを暗号化し、身代金を要求する犯罪が全世界規模で発生しています。
フィッシング対策
「当サイトのユーザIDとパスワードが流出しました。至急、再設定をお願いします。」などのメールを、再設定するためのURLと共に送り付けてきます。
このURLに飛んでユーザIDやパスワードに加え、クレジットカード番号などを入力すると、これらの情報が全て盗み取られ、悪用されるという犯罪行為です。
このような行為を防ぐために、ウィルス対策ソフトメーカーでは、フィッシングサイトをデータベース化して保持しています。
ユーザがURLを設定して飛ぼうとするたびに、このデータベースとの比較を行い一致するURLが発見された場合、ユーザに警告表示します。
この警告を受け、次のステップに進めるかどうかをユーザが判断することができるようにしています。
このデータベースは、定期的に更新することにより、常に最新の状態に保ち犯罪サイトの検出精度を高めています。
ファイヤーウォール
ファイヤーウォールとは本来、防火壁の意味を表すことばです。
インターネットの世界では、外部からの不審な侵入からPCやシステムを保護する仕組みや機器のことを指します。
また、ウィルス対策ソフトでは、ユーザPCに出入りする全データを常にチェックして、不審なデータを遮断する機能のことを言います。
迷惑メール保護
迷惑メールとは、ユーザが意図せずに勝手に送り付けられてくるメールです。
中にはフィッシングメールやマルウェアを含むファイルを添付したメールが送られてくることもあります。
その結果、偽のサイトに誘導され個人情報やクレジットカード情報などを盗み取られてしまったり、添付ファイルを開いただけでウィルスに感染してしまうケースもあります。
ウィルス対策ソフトでは、このような迷惑メール対策として、信頼するメールのリスト(ホワイトリスト)と迷惑メールのリスト(ブラックリスト)からユーザが必要としないメールを洗い出す機能を持っているものがあります。
また、迷惑メールの基準は、認識アルゴリズム、統計ヒューリスティック(先入観、経験値に基づく判断をコンピュータで行う)、メッセージの定義などに基づいて行われます。

Webコントロール
不審なサイトへアクセスしようとした場合に警告を発してユーザを守る機能です。
セキュアブラウザ
ネットバンキングを行う際や、ネットショッピング時にクレジットカード番号やユーザID、パスワードの入力に対し、保護されたブラウザを使うことによりユーザ保護を行う機能です。
また特定のアプリへのアクセスのみを許可することで、不審なサイトへのアクセスによるリスクを軽減することも可能です。
ゲーミングPCで必要なウィルス対策ソフトの機能とは?
ゲーミングPCのウィルス対策ソフトとして最も重要なポイントはソフトのパフォーマンスです。
ゲーム中は、ポイントポイントで特にCPUの最大パフォーマンスを要求される場面が多くなります。
ダイナミックな動きや、ユーザの操作に対する早い対応です。ミリセカンド(1/100秒)単位の遅れがゲームの魅力を損なってしまうからです。
このようなことが起こらないように、ウィルス対策ソフトは極力、CPUパワーをそぐことなく高いパフォーマンスによる動作が求められます。
第3者評価機関で高い評価を受けたウィルス対策ソフト
第3者評価機関としてAV-TESTとAV-Comparativesの評価結果と各社商品の受賞結果を紹介していきます。
AV-TESTはドイツのITセキュリティに関する独立した研究機関で15年以上、ウィルス対策製品のテストを行っています。
AV-Comparativesはオーストリアのウィルス対策製品の体系的なテストを行う独立した組織で20年以上の間、ウィルス対策製品のテストを行っています。
AV-TEST 2021年テストからの各受賞商品
全世界の20種類のウィルス対策ソフトの評価を行った結果、各ジャンルで受賞した商品は以下の通りです。
以下の情報は、全てAV-TESTのサイトを参照してこれをまとめています。
BEST PROTECTION AWARD
マルウェアに対する保護のカテゴリで、並外れたパフォーマンスを発揮した製品に与えられる賞です。
- 1位 Bitdefender Internet Security
- 2位 Kaspersky Internet Security
- 3位 Norton360

BEST PERFORMANCE AWARD
ユーザを脅威から保護すると同時にバックグラウンドで最も経済的に機能する製品に与えられる賞です。
- 1位 ESET Internet Security
- 2位 G DATA Total Security
- 3位 Kaspersky Internet Security
- 4位 Norton 360
BEST USABILITY AWARD
誤警報率の最も低い製品に与えられる賞です。
- 1位 Avira Internet Security
- 2位 ESET Internet Security
AV-Comparatives 2021年テスト
AV-Comparativesにより、2021年1月~12月にかけて全世界17メーカーの製品の評価を行った結果です。
以下の情報は、全てAV-Comparativesのサイトを参照してまとめています。
対象メーカーと評価スケジュールが公開されていましたので、参考までに載せておきます。


Product of the year Award
全てのテストにおいて総合的なスコアが最も高い商品に対して与えられる賞です。
- 1位 McAfee
- 2位 AVG
- 3位 Bitdefender
Top-Rated product Award
パブリックコンシューマーメインシリーズのテストで非常に高い基準に達した製品に対して与えられる賞で、Kasperskyが受賞しています。

Real-World Protection Test winners
現実的なインターネットの使用条件下で製品をテストした結果、高レベルの保護を提供できた受賞製品がリストアップされています。
- 1位 Bitdefender
- 2位 Kaspersky、McAfee
- 3位 VIPRE

Malware Protection winners
USBなどのリムーバルデバイスやネットワーク共有からのマルウェアに対する高い保護が提供されている商品に対して与えられる賞です。
- 1位 McAfee
- 2位 Bitdefender、VIPRE
- 3位 Total Defense

False Positives winners
ミス検出が最も少ない製品に対して与えられる賞です。
- 1位 ESET
- 2位 Kaspersky
- 3位 TotalAV

Overall Performance (Low System-Impact) winners
システムへ与える影響が少なく、最も動作が軽い製品に対して与えられる賞です。
- 1位 Panda
- 2位 Kaspersky
- 3位 ESET


Advanced Threat Protection (Enhanced Real-World Test) winners
標的型やファイルレス攻撃からPCを保護する機能が高い商品に対して与えられる賞です。
- 1位 Avast、AVG
- 2位 ESET、Kaspersky、McAfee
- 3位 G Data

良く使われて人気のウィルス対策ソフト
良く使われている人気のウィルス対策ソフトを、日本国内と全世界におけるウェルス対策ソフトの市場シェアの調査結果からリストアップしてみます。
国内シェア
1981年に創業したBCNというPCやデジタル家電の調査を行いその結果を公表したり、関連するIT業界誌を出版している専門の企業があります。
対象の商品の売上を調査するために、全国のPC販売店、家電量販店のPOSデータを利用しています。
集計した結果を売上ランキングとして、発表すると共に、年に1回年間販売台数1位のメーカーを「BCN AWARD」として表彰しています。
BCNが集計した結果のランキングを以下に示します。

全世界シェア
ウィルス対策ソフトの全世界におけるシェアはOPSWATという企業が集計したデータを参照します。
この企業はサンフランシスコに本社を置き、サイバーセキュリティ対策ソリューションを提供するグローバル企業です。
最新の集計データとして2021年1月から8月までのデータを基にしてランキング結果が公開されていますので以下に紹介します。
ランキングのグラフにおいては、特に日本国内でも販売されており、実績のあるメーカーの順位を追記しています。

市場シェアデータについて
これらの市場シェアデータからいくつかのことが言えます。
シマンテックがトップシェア
まず、日本国内、全世界ともにシマンテックの商品がトップシェアであるということです。
シマンテックの商品(ノートン)は、第3者評価機関AV-TESTによるBEST PROTECTION AWARD(3位)、BEST PERFORMANCE AWARD(4位)に入賞しています。
これは、マルウェアに対する保護のパフォーマンスの優れていると共に、システムにインパクトを与えることなく、軽い動作を実現できていることの証です。
マカフィー、Kaspersky、ESETも高い人気
全世界における2位にマカフィー、4位にKaspersky、7位にESET、9位にavastが夫々エントリーしています。
マカフィーはAV-Comparativesのリムーバルデバイスやネットワーク共有からのマルウェアに対する高い保護が提供されている商品に対して与えられるMalware Protection Winnerで1位を受賞しています。
ESETとKasperskyは、AV-TESTとAV-Comparatives双方の評価においてシステムにおける影響が最も少なくパフォーマンスが高い商品としてOverall Performance (Low System-Impact) winners をはじめ数多くの賞を受賞しています。
avastが続く
avastはAV-Comparativesの標的型やファイルレス攻撃からPCを保護する機能が高い商品に対して与えられるAdvanced Threat Protection winnersを受賞しています。
トレンドマイクロ、ソースネクストが国内で売れているわけ
他方で国内の順位が2位のトレンドマイクロ、3位のソースネクストは、世界シェア的には、17位までにすらノミネートされていません。
日本国内においてこれらのメーカーの商品が評価されている理由は何でしょうか。
トレンドマイクロの商品(ウィルスバスター)は、第3者評価試験においてウィルスの検出率が高いとの結果が出ています。おそらくこの点が、評価されているのではないかと推測されます。
ソースネクストの商品(ZEROスーパーセキュリティ)は、他社に比べて圧倒的安さとそこそこのパフォーマンスが評価されているものと考えられます。
まとめてみると、
ウィルス対策ソフト選択の3つのポイント
ウィルス対策ソフトを選ぶ上で、重要なポイントは、性能、軽さ、コストの3点です。
性能
まずは性能を第1に考える必要があります。ウィルス対策ソフトでありながら、ウィルスを検出する能力が低いことは許されません。
ウィルス対策ソフトを使う最大の目的は、PCをコンピュータウィルスから守り、安全なPCの動作環境を提供することにあるからです。
軽さ
2点目は軽さです。
ウィルスを常時監視し、駆除を行うからと言って、ゲームを行っていた時に、これを阻害するほどCPUパワーを使ってしまったら、ゲーミングPCのウィルス対策ソフトとしての価値がありません。
従って、このソフトとしての軽さ、軽いけどしっかりとウィルス対策ができるということが大切な点になります。
コスト
そして最後にコストです。
高性能で軽いウィルス対策ソフトをいかに安いコストで提供できるかが重要です。但し、コストについては、利用者の考え方によって、もしかしたら最優先になるかもしれません。
これは、ゲーミングPCを使用する人によって変わってくるかもしれませんが、3大要素のうちの1つでであることに変わりはありません。
ウィルス対策ソフト一覧表
各社のウィルス対策ソフトの比較表を作ってみました。
Windows、MAC、Android夫々に分けた構成としています。
比較表
比較表の作成にあたって
比較表の作成にあたっては以下の条件で作成しています。
- 各メーカーの製品機能紹介ページをもとに作成しています。従って、紹介ページに各機能表示の記載があった場合にのみ「〇」を付けています。
- 第3者評価機関の結果については以下のサイトのデータを参照しています。
AV-TEST https://www.av-test.org/en/
AV-Comparatives https://www.av-comparatives.org/consumer/
比較表の概要
夫々の製品全体としての特徴、特筆すべきことや第三者評価機関による評価結果に加え、ウィルス対策ソフトとしての個々の機能や性能についてまとめています。
第三者評価機関として、AV-TESTとAV-Comparativesから特に際立った結果が認められ、表彰された製品をマーキングしています。
ちなみにAV-TESTはドイツのITセキュリティに関する独立した研究機関で15年以上、ウィルス対策製品のテストを行っています。
AV-Comparativesはオーストリアのウィルス対策製品の体系的なテストを行う独立した組織で20年以上の間、ウィルス対策製品のテストを行っています。
Windows
メーカー | ESET社(スロバキア) | Kaspersky Lab(ロシア) | McAfee(米国) | トレンドマイクロ(米国*1) | ノートンライフロック(米国) | SOURCENEXT(日本) | avast software社(チェコ) | |
製品名 | ESET internet Security | カスペルスキーセキュリティ | マカフィーリブセーフ | ウィルスバスタークラウド | ノートン360 | ZEROウィルスセキュリティ | avast | |
特徴 | 動きが軽い キャノンサポートが安心 | トップクラスのウィルス検出率 | 台数無制限で価格が同じ | 検出率が常に高め 若干重いとの評価あり | AV-TESTでNo.1のウィルス検出率の評価 | 国内では比較的軽いとの評価がある 更新料が無料という点が大きな特徴 | 有料版の機能を無料で提供 全世界で4億人以上のユーザ数 | |
第三者認証機関評価 | AV-TEST(2021年) | ◎(best Performance) | 〇(best Performance) | - | - | 〇(best Performance) | - | - |
AV comparatives(2021年) | 〇(False Positive) | 〇(Top product) | ◎(Product of the year Award) | - | - | - | 〇(Product of the year Award) | |
ウイルス・スパイウェア対策 | リアルタイム保護 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
脆弱性攻撃対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | |
新種・亜種のマルウェアの検出 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
機械学習保護 | 〇 | × | × | 〇 | × | × | × | |
外部デバイスの検査 | 〇 | × | × | × | × | × | × | |
ランサムウェア保護 | 〇 | 〇(W) | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | |
フィッシング対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
デバイスコントロール | 〇 | × | × | × | × | × | × | |
ネットワーク保護 | ファイヤーウォール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
迷惑メール対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | |
Webコントロール | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
セキュアブラウザ | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | 〇 | × |
MAC
メーカー | ESET社 (スロバキア) |
Kaspersky Lab (ロシア) |
McAfee(米国) | トレンドマイクロ(米国*1) | ノートンライフロック (米国) |
SOURCENEXT (日本) |
avast software社 (チェコ) |
|
製品名 | ESET internet Security | カスペルスキーセキュリティ | マカフィーリブセーフ | ウィルスバスタークラウド | ノートン360 | ZEROウィルスセキュリティ | avast | |
ウイルス・スパイウェア対策 | リアルタイム保護 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
脆弱性攻撃対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
新種・亜種のマルウェアの検出 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
機械学習保護 | × | × | × | 〇(ハイブリッドモデル非対応) | × | × | × | |
外部デバイスの検査 | 〇 | × | × | × | × | × | × | |
ランサムウェア保護 | 〇 | × | × | × | × | × | 〇 | |
フィッシング対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | |
デバイスコントロール | 〇 | × | × | × | × | × | × | |
ネットワーク保護 | ファイヤーウォール | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × | 〇 |
迷惑メール対策 | 〇 | 〇 | × | × | × | × | × | |
Webコントロール | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | × | |
セキュアブラウザ | 〇 | 〇 | × | × | × | × | × |
Android
メーカー | ESET社 (スロバキア) |
Kaspersky Lab (ロシア) |
McAfee(米国) | トレンドマイクロ(米国*1) | ノートンライフロック (米国) |
SOURCENEXT (日本) |
avast software社 (チェコ) |
|
製品名 | ESET internet Security | カスペルスキーセキュリティ | マカフィーリブセーフ | ウィルスバスタークラウド | ノートン360 | ZEROウィルスセキュリティ | avast | |
ウイルス・スパイウェア対策 | リアルタイム保護 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
新種・亜種のマルウェアの検出 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
機械学習保護 | × | × | × | 〇 | × | × | × | |
フィッシング対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
アンチセフト | 〇 | × | × | × | × | 〇 | × | |
迷惑メール対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × | × | |
アプリケーション制御 | 〇 | × | × | × | 〇 | 〇 | × | |
デバイスセキュリティ | 〇 | × | × | × | × | × | × | |
Webコントロール | × | × | 〇 | 〇 | × | 〇 | × |
各社のウィルス対策ソフト
これらの表に照らしながら、個々の商品の特質すべき点など特徴を商品毎に書き出してみます。
ESET Internet Security
ESET Internet Securityは2021年AV-TESTにおけるBest Performance Gold(最優秀商品)の評価を受け、AV-ComparativesではLow False Positives(最も誤検出が少ない製品)として評価されています。
両機関の評価結果にも表れているようにソフトの動きが軽く、ウィルス対策ソフトがバックグラウンドで動いていることを感じさせないと言われています。
また、本製品はキャノンが、365日対応の専用ヘルプデスクにてサポートしているために安心して使うことができる点が強みといえます。
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Kaspersky Internet Security
Kaspersky LabのKaspersky Internet Securityは2021年AV-TESTにおけるBest Performance Silver(優秀商品)の評価を受け、AV-ComparativesでもTop Product(優秀商品)として評価されています。
両機関の評価結果が示すようにウィルス対策ソフトとして、バランスの取れた高い性能を有する製品です。
また業界トップクラスのウィルス検出率が評価され、AV-TESTの試験では、ランサムウェアの検出率が100%で、他の商品を圧倒しています。
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マカフィーリブセーフ
McAfee社のマカフィーリブセーフは2021年AV-ComparativesでProduct of the Year(年間最優秀製品)として、最も高い評価を受けています。
プログラム動作中にシステムに与える負荷が最も少ないことも評価されています。
また、使用台数に関わらずウィルス対策ソフトの料金が変わらないことが大きな売りになっています。
従って、多くのPCに使用して、出来るだけ出費を抑えたい場合には効果的なソリューションです。
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ウィルスバスタークラウド
トレンドマイクロ社のウィルスバスタークラウドはウィルス検出率が常に高めであるとの評価を受けているが、他方で若干動作が重いと評価される場合もあるようです。
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ノートン360
ノートンライフロック社のノートン360は2021年AV-TESTでBest Performance(優秀商品)として高いウィルス検出率が評価されています。
また、パフォーマンステストにおいても、システムに与えるインパクトが低いとの高い評価を得ています。
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ZEROウィルスセキュリティ
SOURCENEXT社のZEROウィルスセキュリティは、第三者評価機関における評価を受けていないものと考えられるため評価結果はありません。
しかし、動作が比較的軽いということがユーザから評価を得ています。
また、更新料が無料であるということが大きな売りになっています。
他社の製品のように1年、3年単位のサブスクライブ型ではなく、いわば売り切り商品と考えられる点が大きな特徴です。
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avast
avast software社のavastは2021年AV-ComparativesのOutstanding Security Product(並外れたセキュリティ商品)として評価されています。
avastは全世界で4億人以上のユーザを持つウィルス対策ソフトウェア商品です。
無料版でも有料版と遜色のない機能と性能を持つことが特徴です。
但し、有料版の場合、他社に比べて、価格が高めです。
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