PCを使っていて、いつもと違う挙動を示したり、動作が非常に重かったりしてなかなか処理が終了しない、画面上にエラーメッセージが表示されるなどの予期しない不具合が発生することがあります。
要因としては、ソフトウェアに起因することからハードウェアの故障に至るまで様々なことが考えられるため1つ1つ確認して潰していきましょう。
具体的な手順を説明していきます。
電源を入り切り
ハード的もしくはソフト的な要因で不具合が発生している場合、もし可能であれば、一度、シャットダウンして、再起動してみるというのがまずは、第1にやるべきことです。
これにより、かなりの確率で正常な状態に復帰することがあります。
最悪、シャットダウンできない事態の場合には、電源ボタンを長押しすると、強制的にシャットダウンされます。その後、再度電源を入れて、動作の改善を確かめてみてください。
ソフトウェアの再インストール
特定のソフトウェアを動かしている場合にのみ、動作がおかしくなる場合に行うべき方法です。
何らかの理由でソフトウェアが部分的に破壊されてしまった、もしくは、ソフトウェアが使用するデータの一部が破損してしまった可能性が考えられます。
この場合には、正常に動作していた初期の状態に戻してやることて、解決する可能性があります。
従って、プログラムを一度、削除して、再度インストールしてみてください。
その後、PCの動作が改善しているかを確認してみてください。
周辺機器を取り外して電源を入り切り
USBコネクタを経由して、色んなデバイスがPCに接続されている場合に、接続されている周辺デバイスがPCの動作に影響を与えている可能性が考えられます。
従って、このような場合には、PCをシャットダウンして、一度USBに接続している全てのデバイスを取り外して再起動してみてください。
再起動後にPCの動作が改善しているかどうかを確認してみてください。
ウィルス感染の可能性の確認
PCがウィルスに感染した場合にウィルスの種類によっては、PCの動作が重たくなったり、普段と異なる挙動を取ることが考えられます。
従って、この場合には、速やかにPCをネットワークから外した上で、ウィルス対策ソフトにより「コンピュータの検査」を実行してみてください。
「PCをネットワークから外す」とは、無線接続しているのであればWi-Fiをオフにすることです。有線接続であれば、LANケーブルを引き抜くことです。
その上で、手操作(マニュアル操作)でコンピュータの検査を実行してみます。
Windowsのトラブルシューティングの実行
Windowsに標準で組み込まれているトラブルシューティングツールを使って、問題の特定と解決を行うことができます。
下の図に沿って説明していきましょう。
Windows画面の左下のスタートアイコンをクリック①し、歯車マークをクリック②します。
設定画面に切り替わったら「更新とセキュリティ」をクリック③し、「トラブルシューティング」をクリック④します。
トラブルシューティング画面に切り替わったら、画面の中央付近にある「追加のトラブルシューティングツール」をクリック⑤します。
すると、要因ごとのトラブルシューティングツールの一覧が表示されます。
この画面をみるとWindows Update、インターネット接続、オーディオの再生、プリンター、更にBluetooth、DirectAccessを使用した職場への接続、Windowsストアアプリなど様様々なツールが表示されます。
解決したい問題に関係するツールをクリックして、夫々の画面指示に従って、操作を行っていくことにより、問題の糸口を見つけだし、解決を目指します。


スタートアップ修復の実行
Windowsが起動中に何らかの原因で不具合を検出した場合、自動的にシステムを修復するためのプログラムであるスタートアップ修復が実行されます。
このソフトウェアは基本的に自動的に起動されるものですが、マニュアル操作で起動することも可能です。
システムの起動時における不具合を修復するための手段として利用することができます。
下の図に沿って説明していきます。
Windowsのログイン画面においてシフトキーを押しながら、再起動をクリック①することによりオプションの選択画面が表示されるため、ここで「トラブルシューティング」をクリック②します。
トラブルシューティング画面に切り替わったら「このPCを初期状態に戻す」をクリックすると、詳細オプションの設定画面に切り替わります。
ここで、「スタートアップ修復」をクリックすることにより、スタートアップ修復が自動的に開始されます。

復元ポイントを利用したシステムの復元
市販のプログラムや各種ウェブサイトからダウンロードしたプログラムをPCにインストールしたところ、システムが不安定になってしまった。
この場合、まずはインストールしたプログラムを削除しますが、それでも、元の状態に戻らない場合の対応方法です。
以前の正常な動作を行っていた時点におけるシステムに戻すことができるのがシステムの復元機能です。
Windowsシステムは過去において、重要なWindowsのファイルを作成した復元ポイントを保存しているので、その状態まで戻すことができます。
Windows画面左下のスタートアイコンをクリック①し、歯車をクリック②します。
設定画面で「システム」をクリック③して、システムの設定画面に切り替わったら、画面の左側で一番下までスクロールし、「詳細情報」をクリック④します。
詳細情報が表示されたら、その中から「システムの保護」をクリックするとシステムのプロパティ画面が表示されます。
「システムの復元」をクリック⑥して、切り替わった画面で「次へ」をクリック⑦すると、復元ポイントの候補のリストが表示されます。
この例では、2022/03/22 7:54:04の復元ポイント候補を選択⑧し、「次へ」をクリック⑨すると、最終確認画面に切り替わります。
復元したいポイントを再確認し、問題なければ「完了」をクリックします。
クリックを押すと、復元作業が開始されます。
一度、開始されると途中で止めることはできなくなるため、時間的な余裕があるときに実行するようにしましょう。


PCを丸ごと保存しておく
この作業はPCが正常に動作している状態のときに行う作業のため、既にPCの動作がおかしな場合は、読み飛ばしてください。
予め、PCのストレージデータを丸ごと外付けのHDDなどにコピーしておき、PCの動作がおかしくなった場合に、コピーしておいたデータを使ってPCを復元させる方法です。
ストレージのフォーマッティング
あらかじめ、大容量(最低100GB以上は欲しいです。)の外付けHDDやSSDなどのストレージを用意し、フォーマッティングを行ったあとにPCのUSB端子に接続しておきます。
フォーマッティングはNTFSという形式で行う必要があります。
その方法は、以下の画面に沿って行ってください。
方法はとても簡単で、エクスプローラを開き、(この例では、DドライブにUSBメモリを挿入していますが)ドライブユニットを右クリック①して、表示されたプルダウンメニューから「フォーマット」を選択してクリック②します。
ファイルシステムとして「NTFS」を選択してクリック③し、「開始」をクリックします。
するとフォーマッティングが開始されます。
ストレージの容量によって、終了するまでの時間が異なりますが、すべとのフォーマッティングを完了すると、その旨、表示されますので「OK」をクリックすれば完了です。
以上でストレージの事前準備は完了です。

PCのバックアップ開始
次に、以下の図を見ながら次に説明する手順で作業を行ってください。
Windowsの画面左下のスタートアイコンをクリック①し、歯車の設定アイコンをクリック②します。
設定画面に切り替わったら「更新とセキュリティ」をクリックし③、「バックアップ」をクリック④します。
バックアップ画面が表示されたら「バックアップと復元に移動」(windows7)をクリック⑤し、「バックアップの開始」をクリックします。
画面が切り替わり、PC内のどのドライブをバックアップするか確認表示がされますので、対象のドライブをチェックします。
デフォルトの状態でよければ、設定変更は不要です。「次へ」をクリック⑦すると画面が切り替わり、最終確認画面になります。
この画面で「次へ」をクリックすると、PCのデータのストレージへのコピー作業が開始されます。


システム修復ディスク
バックアップ終了後、「システム修復ディスク」を作成するかの確認画面が表示されます。
これは、システムが起動しなくなってしまった場合に、修復ディスクを作っておくと、この修復ディスクから起動を行い、バックアップしておいたシステムイメージを復元することができます。
そのためには、フォーマッティングを行ったDVDなどのディスクを用意しておきます。
その上で下の図に従い、「ディスクの作成」をクリック①すると自動的にディスクの作成を行います。
終了すると画面が切り替わるため「OK」を押せば、修復ディスクの完成です。

PCを初期化する
以上説明してきたシステムの復元方法を実行しても、システムが正常な状態に戻らない場合に行うのが、PCをメーカーが出荷した状態の設定に戻す方法です。
この方法は、最終的な手段ともいえるため、これでもだけな場合には、ハードウェアの故障の可能性がかなり高くなってくると考えられます。
それでは、以下の図を参照しながら説明していきましょう。
Windowsの画面左下のスタートアイコンをクリック①し、歯車マークをクリック②して設定メニューを表示させます。
その中から「更新とセキュリティ」をクリック③し、次の画面に切り替わったら「回復」をクリック④します。
するとシステムを回復するためのメニューが表示されますので、「開始する」をクリックして、オプションを選択します。
初期化を行う際のオプションは、個人用のファイルを残して初期化を行うか、全て初期化を行うかを選択します。
次にWindows OSをクラウドから持ってくるか、ローカルディスクに保有するものをインストールするかを選択してクリックすることで、初期化作業か開始されます。


業者に修理を依頼
以上説明してきた方法を全て実行しても、PCの状態が改善しない場合は、ハードウェア故障の可能性が高いと考えられます。
この場合には、速やかにPCを購入した先、もしくはPC修理の専門業者に修理を依頼すべきでしょう。
尚、修理を行う場合には、PCの持ち込み方法(郵送もしくは持ち込み)、修理に必要な期間、修理に必要な費用を事前に見積もってもらったうえで実行しましょう。
場合によっては、複数の業者の条件を比較した上で、自分の希望にもっとも沿う業者を選択すべきです。
さいごに
PCが不調な場合の10通りの対応方法について、具体的な手順などを含めて説明してきました。
ここに書かれていることで100%解決に至らないにせよ、その糸口は必ず見つけられると思います。
1点ずつ、確実に実行してみてください。
少しでも読者の方のトラブルシューティングに役に立てればと願っています。
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