インターネットのスピードを改善するためには、スピードが遅くなるいくつかの候補の原因から、真の原因を特定して、その対策を行うことで、驚くほどスピードアップが実現できます。
検索時間がかかりすぎる、動画を見ているとカクカクしたり、突然止まったりする、音が途切れるなどの不満を解決しちゃいましょう。
下りの速度と上りの速度
インターネットにおける通信は、基本的に自分のPCと各種サービスやコンテンツを提供するネット上おサーバーとの間において行われます。
上りと下りの通信
この場合に、自分のPCからネット上のサーバーに対してデータやコマンドを発行する場合を上りの通信といい、その場合の通信速度のことを上りの速度といいます。
自分のPCから、ネット上のサイトのURLアドレスを入力してサイトの表示を要求する場合が上りの通信の例になります。
逆にネット上のサーバーから自分のPCに対してデータやコマンドを受信する場合を下りの通信といい、その場合の通信速度のことを下りの速度といいます。
上記の例において、サイトの表示要求に対して実際にサイトの表示データを送り返してくるのが下りの通信の例になります。
下りのデータ量が大きい
このような通信において、サーバーからサイトのデータを送り返してきたり、更には、動画の再生要求に対して、動画データを送り返してくるなど、一般的に下りの通信におけるデータの方が、上りに比べて圧倒的に大きくなります。
なので、下りの通信速度が、インターネットを快適に利用する上で大切だと言われています。
インターネットで必要な速度の目安
そもそもインターネットのスピードって、どのくらいあればいいのでしょうか?
実はそれは、利用するサービスによって違ってきます。
ブラウザを表示させる場合
例えば、インターネットブラウザを開いて検索を行う場合には最もスピードを必要とせず1Mbpsもあれば問題ありません。
それは、ブラウザからの要求に対して接続先のサーバはその要求を受け取って、あとはサーバ側で検索処理を全部行って、結果が出たらブラウザに回答します。
このように、行って帰ってくるだけのシンプルな通信で処理が終わるからです。
SNSの場合
facebook、twitter、LineなどのSNSの場合は10Mbps程度は必要とされています。
テキスト中心のデータ通信と言えども、双方向の通信が行われ、静止画などのデータも含まれてくるためです。
動画サービスの場合
その次が動画サービスで30Mbps程度は必要とされています。
動画のデータは静止画の集まりと考えると1秒間に静止画30枚分程度のデータを必要とするために結構なデータ量となるからです。
最近では、テレワークを利用して在宅で仕事をされている方も多いのではないでしょうか?
その場合には、ZoomやTeamsなどのウェブ会議を使いますよね。このような場合には、30Mbpsが一つの目安と考えられるでしょう。
オンラインゲームの場合
そして、最もスピードが必要とされるのがオンラインゲームで100Mbps以上は必要とされています。
動画を扱うことは当然として、キー入力に対する敏感な反応なども必要となってくるためです。
サービスの種類 | 必要とされる回線速度(目安) | 理由 |
オンラインゲーム | 100Mbps以上 | 高解像度の動画再生、入力への敏感な反応が要求される |
動画の再生、テレワーク(Zoom、Teamsなど) | 30Mbps程度 | 静止画の30倍のデータ量が必要なため。 |
SNS | 10Mbps程度 | 双方向でのデータ通信、小さな静止画送信 |
検索 | 1Mbps程度 | ブラウザとサーバ間における瞬間的な通信のみのため |
インターネットのスピード測定
自分のPCと特定のサーバとの間で実際にデータ通信を行うことによって、その時のインターネットスピードを測定するサービスがいくつかあります。
スピードを測定するサイトによって、接続する先のサーバが違うので、どんなルートを経由して、サーバに接続されるのかも全く異なるので、結果もサービスによって違ってきます。
しかし、ある程度の目安にはなります。
動画再生サービスを利用するには「遅い、まあ大丈夫だろう、十分なスピードだろう」程度の目安を知りたい場合には十分です。
主なスピード測定サイトは以下の通りです。これらの速度の平均をザクッとしたスピードと考えればいいでしょう。
インターネットの速度が遅い理由
インターネットのスピードが分かったところで、「予想以上に遅いなー」と感じた人も多いのではないでしょうか。
それ以前にある時を境にして急に遅くなったと感じている人もいるかもしれません。
それでは、なぜ、期待していたよりも遅いのか?もしくは、ある時を境に急に遅くなったのか、について調べていきましょう。
原因を分けると、5種類程度に分類できます。記載されている以下の順に確認していきましょう。
Wi-Fiの問題
最初に疑うのはWi-Fiです。
Wi-Fiルーターが原因でインターネットのスピードが遅くなっているかを確認するのは簡単です。
PCまたはWi-Fiルーターのいずれかを、一時的に移動して両者を近い距離においてPCを使ってみればすぐにわかります。
この状態で、再度、スピード測定をしてみましょう。
それで、速度が速くなることが分かれば、遅かった原因はWi-Fiとの接続であったことが分かります。
その場合の対策として考えられるのは2点のいずれか、もしくは双方行うことです。
対策① Wi-Fiルーターを高出力、ハイスピードのものに置き換える。
対策② Wi-FiルータとPCの設置場所をできる限り近づける。
Wi-Fiは、インターネットデータが流れているケーブルを接続してこれを無線の信号に変換します。この無線化された信号をPCで受信してブラウザで表示させたりしているわけです。
ですので、無線化されたWi-Fiの信号とPCの間に障害物があれば、当然、Wi-Fi信号は弱まってしまうわけです。
とはいっても、全ての部屋にWi-Fiルーターを置くわけにはいかないので、信号が弱まっても大丈夫な程度強力な出力のWi-Fiルーターを設置しておく必要があります。
また、Wi-Fiルーターの設置場所をできるだけ、PCを使う場所の近くに置くように工夫しましょう。
ちなみに以下のWi-FiルーターはTP-linkというメーカーのもので、Wi-Fiの世界シェアNo.1を10年継続しています。
私も使ってますが、快適です。
常駐ソフトの問題
これは、厳密にはインターネットのスピードが遅いことの、原因とは言えませんが、常駐ソフトの問題で、「インターネットのスピードが遅いように感じてしまう」原因と言えます。
例えば、ウィルス対策ソフトなどの場合、ウィルスがPCに入り込んでこないかを監視するために、常に忙しく動いている必要があるわけです。
このようなソフトを「常駐ソフト」と呼び、それによってPCのパワーを吸い取られてしまい、インターネット通信などの他の仕事にパワーが配分されないために起こります。
特定の常駐ソフトが原因でインターネットが遅く感じるかどうかは、そのソフトを一時的に停止してみて、その時にどう感じるかを確認してみればわかります。
ウィルス対策ソフトが疑われる場合には、この動作をOFF(停止)してみて確認できます。
ウィルス対策ソフトが原因でネット接続に問題があるとわかった場合の対策として考えられるのは、以下の2点のいずれか、もしくは双方です。
対策① 軽いウィルス対策ソフトへ入れ替える(私のおすすめはESET)
対策② PCをもっと早いスペックのものに置き換える
ちなみにESETは、動作がとても軽いウィルス対策ソフトです。私は家と会社の双方のPCで使ってます。
PCの問題
正確には、PCに搭載されているOSのバージョンが最新ではない可能性があるということです。WindowsのOSは、結構頻繁にアップデートされています。
アップデートの内容によっては、各種デバイスへのアクセス速度に関わら改善なども含まれているため、速やかにアップデートしてみて、その前後で、回線速度の変化を確認してみましょう。
対策 OSのバージョンを最新版にする。

接続機器の問題
ルータやモデム
ルータやモデムは長時間、電源を入れっぱなしで動かしていると内部に不要なデータがたまるなどして、動作が遅くなっていることがあります。
ですので、たまに、電源を入れ直してみると効果があるかもしれません。
また、これらの機器に内蔵するソフトもPCのOS同様に、バージョンアップされている可能性があります。
機器の製品名を調べて「製品名 ファームウェア」で調べてみましょう。アップデート情報やその方法を見つけることができるかもしれません。
- 対策① 一度ルータ、モデムの電源を入り切りする。
- 対策② ルータ、モデルのソフトが最新状態かどうかを確認して最新でなかったらアップデートする
イーサネットケーブル
イーサネットケーブルには対応するネットワークスピードによって、異なる番号が振られています。
ちなみにCAT5が100Mbps、CAT5eとCAT6が1Gbpsというように番号が振られています。CAT5e以上であればよしとしましょう。(番号が大きいほうがスピードが早い)
もし、CAT5もしくは、それより若い番号がついていたら、CAT5e以上のものに置き換えましょう。
対策 イーサネットケーブルをCAT5e以上に置き換える。

回線の問題
以上の確認を行ってきたけど、結局、スピードアップにつながらなかったとするとあと残されるのは、インターネット回線のみになります。
その場合には、現状の回線契約を解約して、別の回線契約にしましょう。
おすすめは、安定の光回線です。
もっとも歴史があり、安定していてトラブルが発生した時のサポートも安心できます。
こちらで、推奨する光回線を紹介してますので、ご覧下さい。
さいごに
インターネットの速度が遅い原因の特定とその対策方法について解説してきましたが、原因の特定はできそうでしょうか?
インターネットのスピードを速くできるに越したことはありませんが、要は、自分で利用している、またはこれから利用しようとしているサービスが必要とする回線速度に対して、現状の回線速度がクリアできるのかどうかです。
クリアして余りある速度にしても、もったいない話です。速度を上げていくためには、それに見合う投資を行わなければならないかもしれませんので。
ただ、回線速度を上げることそれ自体に価値を感じて投資をいとわなければ別ですが。
いずれにせよ、その辺を見極めたうえで、対応していくべきでしょう。
今回の開設が少しでも皆様のネットライフの改善につながれば幸いです。
は今回はこの辺にしておきます。
それではまた次回まで。
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